中村桂子が旅をします。
大阪、東京、そして東北へ

そこで、自然に目を向けて、大切なことを忘れずに
暮らしている人々と語り合います。

映画の紹介

中村桂子さんは、科学者であり、哲学者であり、何よりも生活者です。
毎朝、お陽様が昇るように、一日一日をきちんと生きる。
当り前だから難しい、今、いちばん大切な生き方が、ここにあります。

東日本大震災を経た今、「人間は生きものであり自然の一部」と語る中村のメッセージは、科学や芸術の枠を超え、共感の輪を大きく広げています。
三月十一日の震災の後、宮沢賢治を読み直した中村は「生命誌版 セロ弾きのゴーシュ」の舞台化、そして賢治の故郷である盛岡・花巻への旅をします。

科学者として、生活者として、生きものを見つめる中村の姿から、自然との関わりの中に「いのちの音」を見出す賢治の生命観が浮かんできます。

生命誌研究館って?

中村桂子さんの提唱した生命誌研究館では、身近な生きものを探り、そこから私たちの「生き方」を考えています。

DNA研究は面白いけれども、
庭の花が咲くのを見たり、
子供を育てている時の生きものへの
気持ちとなかなか重ならない。
そこをつなぎたい。

人間は自然の一部である。

「生きていること」を大切にする社会を求めてさまざまな人々と語り合います。被災地に絵本を届ける編集者・末盛千枝子さん、各地に「みんなの家」をつくり続ける建築家・伊東豊雄さん、自然エネルギーを取り入れた風の彫刻家・新宮晋さん、東北の「いのちを巡る思想」を探る民俗学者・赤坂憲雄さん、アフリカからの人類の足跡を辿った探検家・関野吉晴さん、そして喜多方市の小学校農業科では、子どもたちと一緒に…。

「セロ弾きのゴーシュ」舞台化に挑戦!

自然の中で、猫、かっこう、仔狸、野ねずみなど生きものたちから「いのちの音」を学ぶ主人公ゴーシュの物語は、現代に生きる人々の乾いた心にみずみずしい感動を呼び覚まします。 映画は、そのメイキングから本番までを追います。
リハーサル風景
なめとこ山

「私たちは、ほんとうに自然のことを考えて、
自然と上手につきあっていかなくてはいけない。」


クレジット

企 画
村田英克
プロデューサー
牧 弘子
監督
藤原道夫
撮 影
中島博道 中井正義 長谷川武弘 長谷川 諭
録 音
藤平喜弘
助監督
渡邉将好
編 集
槙樹 譲
音楽効果
北條玄隆
編集 MA
ヨコシネディーアイエー

監督 : 藤原 道夫(ふじわら みちお)

1967年助監督として映画製作に参加。1971年より記録映画およびTVドキュメンタリーのディレクターとして活躍。「万里の長城」「日本海紀行」などの長編ドキュメンタリー、記録映画「永井荷風」「宮本常一」「渋沢敬三」など評伝作品を数多く手がける。2012年の「自尊を弦の響きにのせて~96歳のチェリスト青木十良~」は公開劇場において記録的なヒットとなった。受賞作品多数。

フィギュア・アート・シアター「生命誌版 セロ弾きのゴーシュ」

原作
宮沢賢治
演出・美術・人形遣い
沢 則行
チェロ演奏・ゴーシュ
谷口賢記
ピアノ演奏
鎌倉亮太
語り
中村桂子
村田英克
舞台監督
高橋正和
照明
小木曽千倉
美術アシスタント・OHP
黒川絵理奈
音響
稲葉昌幸
制作進行
川名沙羅